何も加工せずに履けるトウシューズが一番ですが、足の痛みがなかなか消えなかったり、レッスン環境が滑りやすい床であったりする場合には、痛み防止やすべり防止の加工をすると解決することがあります。また、トウシューズをより長持ちさせたり、さらに足になじませるための加工法もあります。
ですが、トウシューズは手を加え過ぎないほうがやはり美しいです。加工し過ぎると、トウシューズを傷め、使い物にならなくなる可能性もありますので注意しましょう。
この記事では、初級者でも安全にできる、トウシューズの加工法とかがり方についてご紹介します。まず、この記事にも出てくる、トウシューズの各部の名称をチェックしておきましょう。
トウシューズの加工法とかがり方①-痛み・すべり防止
リボンがアキレス腱の上でこすれて痛い、しめつけられて痛い- そんな人は、アキレス腱にかかる部分だけ、ゴムに換えるといいでしょう。一部がゴムになったリボンが市販されているので活用してみてください。気をつけたいのは、ゴムの位置です。アキレス腱のうにこないと意味がありません。長さや位置を確かめてからリボンをシューズに縫い付けましょう。
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また、ストレッチ素材でできているリボンも市販されています。私は実際に愛用していますが、結びやすく、痛みが全くなくて個人的にオススメです。
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ボックスが固く、足にあたって痛い場合は、ボックスの部分を足で踏んで柔らかくしましょう。木づちや、シューズが黒ずまないようにタオルをかぶせた金づちでたたくのも良いです。ただし、やり過ぎないように注意しましょう。
トウシューズの音がうるさい場合、シューズの裏の、サテンが寄っている部分をコンクリートにたたきつけます。やり過ぎるとつぶれてしまうので、音が少し鈍くなったらやめましょう。
ソールがつるつるすべると、踊っているときにケガをする恐れがあります。トウシューズ専用の金ブラシなどで傷をつけるといいでしょう。カッターやチーズおろし器でも代用できます。
木の床の上でソールがすべるときは、ソールに松ヤニをつけるといいでしょう。ただし、床にリノリウムが敷かれている場合は、松ヤニをつけてはいけません。リノリウムはもともとすべらないようにするためのものです。松ヤニをつけるとその部分だけさらにすべらなくなり、つまずいてケガをする原因になります。
トウシューズのつま先部分にポアントパッドを合わせ、余分な部分を切り落とします。
接着剤をトゥシューズのつま先部分とパッドの両方にムラにならないように塗り、乾くまで待ちます。触っても指に付かなくなったら、接着剤を塗った面をしっかりと貼り合わせます。
プラットフォームを長持ちさせるため、レザーをはりつけている場合は、その部分を専用の金ブラシでけばだたせるとすべり防止になります。
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トウシューズの加工法とかがり方②-長もち
それでは、トウシューズを長持ちさせるための加工法とかがり方についてご紹介します。
プラットフォームの先をすぐにつぶしたくないときは、周りを糸でかがります。専用の糸のほか、刺しゅう糸やデンタルフロスなどでもよいでしょう。ドゥミ・ポアントがスムーズにできるよう、プラットフォームのソール側はかがらない場合が多いです。
糸を2本取りにし、図の順番で針をとおします。④から出した針を②と③の糸の間にとおします。
糸を引っ掛けるようにつま先部分のふちを縫っていきます。1周したら玉留めします。
「シューズを長持ちさせたい」「固めが好き」という場合は、ティースプーン1杯のニスを、シューズの先に流し込み、陰干しして完全に固めます。たくさん流すと、シューズの表にニスが染み出てすべりやすくなるので注意しましょう。ニスの代わりに瞬間接着剤を入れてもいいでしょう。
トウシューズの加工法とかがり方③-フィット感アップ
最後に、トウシューズのフィット感をよりアップさせるための加工法とかがり方をご紹介します。
甲が出るタイプの人で、立ったときに前のめりになりやすい場合は、ヴァンプの前ぐりの部分をかがると安定します。甲が出ない人がやると逆効果なので注意しましょう。
トウシューズが足底のアーチに合わない場合は、中敷をはずして、シャンクの踵の部分をハサミやカッターなどで切り取ります。ただ、この工夫が必要な人は、シャンクと足裏の長さが合っていない可能性があります。もう一度、トウシューズのサイズを確認しておきましょう。
甲が低く、ポアントで立ったときに側面にしわが寄る場合は、サイドをつまんでかがると良いでしょう。
トウシューズの踵が脱げやすい人は、タイツの上から踵に松ヤニを塗ると良いでしょう。踵にゴムをつけている場合は、松ヤニをつける必要はありません。
ぜひ、みなさまのトウシューズの状況に合わせてトウシューズを加工してみてください。足の痛みやすべりを防止して、より足にフィットした状態で長く大切に使い続けたいですよね。
こちらの記事もご覧ください。
⇨子どものバレエ〜初めてのトウシューズの選び方
なお、この記事は、『クララ・クロワゼ編 トウシューズパーフェクトブック』を参考にしております。
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